平成20年6月19日
第四回 中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国会議員の会

 

場所:参議院議員会館第4会議室
報告:小原外務省アジア大洋州局参事官

以下、議連と外務省担当官の遣り取りを発言順に報告します(文責は支援する会)。

発言者 発言内容
稲田朋美 前回の会合は昨年の12月13日、ちょうど南京虐殺記念館のリニューアルオープンの日だった。それからかなり時間が経っているが、記念館を訪問した人も多い。今津寛議員も訪問しショックを受けられた。あいかわらず日本軍=悪魔という観点である。
平沼赳夫 南京虐殺記念館は中国側の呼称は“屠殺”、被害者30万人というのも日本側の7つの観点からみて全く疑わしいものだ。今日は開館までの交渉過程、リニューアル後の展示内容、日本側の要求がどの程度反映されているかという外務省側の説明、先生方の意見を聞き今後の方針を固めたい。
小原参事官 前回は開館当日、その後関係者(国内・在外)および専門家にも訪問・分析してもらった。その報告をまとめると、

・全体の印象はいぜん日本の計画的・組織的虐殺を印象づけるものになっている。一部の戦後国交回復後の日中関係などの展示など一定の配慮はあるが、日本にとって厳しい展示内容である。
・南京以外の面も展示に含めている(南京以前・以後)。
・第4部『日本軍の南京における大虐殺』では、日本人にとって暗い思いをさせる展示が並んでいる。
・日本と中国との関係を明治〜戦後まで通史的に紹介している。
・別紙@ABの写真は撤去された。
・別紙C(百人斬り)の写真は残っている。ただし以前より展示は小さくなっている。
・各種写真はまだ残っているものが多いが、パネルではなく切り替えができるモニターにして展示している。
・蝋人形は中国人だけで、日本兵の蝋人形はなくなっている。
・現在、四川大地震の写真展を実施しているが、その中で日本の国際救助隊のことも紹介している。また各国首脳の見舞いの言葉も紹介しているが、福田首相のメッセージは筆頭に挙げられている。
・従前に比べて視聴覚効果を重視している。例えば南京の城門を復元し、砲声を流し臨場感を盛り上げるような演出もなされている。
・客観性・実証性を強調するために、生存者や外国人の証言などを取り上げている。
・平和指向・鎭魂も強調するに、厳粛な演出もなされている。
・中国に対し疑わしい展示・青少年に悪影響を与えるものを撤去するよう申し入れをしてきたが、写真@ABの撤去のように一定の成果はあったと考える。

 南京についての広報活動としては専門家の諸説を集めた英文論文集を編纂し、世界56ヶ所の在外公館に配布している。現在12ヶ所の記念館を調査中である。ただ上層部から撤去指示だと考えられるので、撤去は進んでいるのではないか。先般の胡錦涛国家主席来日の際の共同声明にも過去の歴史問題に言及したところはなかった。これは以前の江沢民主席来日時と大きく異なるところである。外務省は中国の戦争記念館について、バランスのとれた展示にするべき、嫌日感を生じないような展示にするべきであると、たびたび中国側に申し入れている。南京虐殺館開館式には党中央からも省共産党幹部からも出席はなく、南京市が中心になっていた。これは日本に配慮したものと考えられる。今後胡錦涛の路線が中国に浸透し、江沢民の影響から早く脱却してゆくことを期待したい。
稲田朋美 新南京虐殺記念館の訪問・調査結果のもとにどのような対応をしたか、また中国側のそれに対する反応はどのようなものであったか、を具体的に説明してほしい。
小原参事官 調査の結果は、「以前に比べて実証的になったが、依然不十分なものである。日本に対する嫌悪感を醸成するものである」と認識している。これに対し、近々中国側に申し入れをするつもりであるが、どうのように説明するかは現在検討中である。
稲田朋美 近々、とはいつか?
小原参事官 できるかぎり早く実施したい。
西川京子 以前自民党では独自に調査を行い、捕虜の死者2万人、しかしそれは戦闘行為の一環として戦時国際法上許される事であるとの結論を得ている。本日の外務省の説明ではこの調査結果が全く生かされていない。非常に不満である。
小原参事官 そのような調査報告があったことは承知している。今後、中国側の専門家に伝えてゆきたい。
山内俊夫 外務省は中国側に口頭ではなく公式抗議文書をどれだけ提出したか、またどれだけ返答があったか?
小原参事官 以前説明した通り、出所の不明な写真・説明については中国側に撤去を申し入れている。今後南京虐殺記念館のリニューアルについても説明を求めてゆく。
山内俊夫 一回だけか?
小原参事官 一回だけではなく、継続して実施してゆく。
山内俊夫 30万人虐殺は虚偽であると日本は公式に申し入れるべきである。実績を積み上げてゆくべきである。
小原参事官 現在、日中歴史研究が進行中である。その中で南京事件についても日中で意見を戦わしている。専門的見地から意見を主張している。このようなプロセスを継続してゆくことが重要であると考えている。将来を考えれば一層重要であると考えている。
山内俊夫 外交の基本とは何か?自国の国益を考えること。相手を慮る必要はない。日本人は国民性として相手のことを斟酌するが、このような従来型の外交では未来志向にはならない。
平沼赳夫 あなたの前任者(佐渡島氏)は発会式の席上で「私はチャイナスクールです」と述べた。私はそれに対し「チャイナスクールではダメだ。ジャパンスクールでなくてはダメだ」と言った。外務省ははじめから中国に対し贖罪意識にからめとられているのではないか?南京事件を描いた日本側の映画を見たか?我々は試写会までしたが。
小原参事官 見ていない。
平沼赳夫 映画では東京裁判の死刑囚が描かれている。松井石根将軍がいかに中国の事を思っていたか、あのような映画は外務省全員がみな見るべきである。見たうえで外交に当たるべし。そのような気持ちで外交に当たるべし。
稲田朋美 前任者は「百人斬り新聞写真の撤去の申し入れをするつもりはない」と言っていたが、是非ともこの写真の撤去も申し入れして欲しい。百人斬りはすでに裁判でも事実として否定されている。百人斬り裁判関係者として撤去申し入れを希望する。@ABの写真について、他の記念館では撤去されたのか?
小原参事官 確認する。@ABの撤去は上層部から指示と考えられるので、他の記念館でも撤去されているのではないか。
西田昌司 個々の歴史事象は専門家にまかせるにしても、大きな歴史の流れと歴史観は外務省自身が身につけるべき。外務省全体として我が国の歴史の大きな流れを勉強する機会はあるのか?自動的に東京裁判史観が刷り込まれていないか? 大きな歴史の流れを知る必要がある。そしてそれを心に納めて外交に臨む、そういう仕組みになっているのか?これは教育の問題にも関連してくる。個別の事象だけの問題ではなく、基本認識がどうなっているかの問題だ。
小原参事官 外務省としては国益重視の考えは共通認識である。歴史問題については、専門家が事実に基づいて研究し、その成果を受けて中国側に説得力のある申し入れが出来ると考えている。その点を理解いただきたい。
西田昌司 理解できない。大きな歴史認識はあるのか、という問題である。歴史は数字だけではなく解釈である。日本の立場に立った解釈ができて、それを背負っていないと外交などはできないのではないか。
小原参事官 戦略的互恵関係というのも大きな視点である。
山内俊夫 戦略的互恵関係というのは、お互いにエチケットを守らなくてはなりたたない。こちらも相手もエチケットも守ればいいのだろうが、相手が無礼ならどうするのか?
西川京子 説明を聞いていると、前任者の時の調査の結果が全く後任者につたわっていない。2〜3年ごとのポスト交替で情報が蓄積されない。このようなシステムを改めなくてはならない。この議連を、そのような継続性のないシステムを改める機会にしてゆかないと意味は少ない。ここで外務省の担当者だけを責めるだけでは意味はない。
稲田朋美 同意。
山谷えり子 以前南京に行ってショックを受けた。そのことを当時の町村外相に伝えた。外相から中国側に申し入れがあったと聞いているが、その流れが今につながっているのだろう。外務省のHPのキッズページでこの問題も取り扱ったらどうか。 南京問題も、従軍慰安婦問題も、ジェンダーフリー問題も展開しているのは同じ連中である。その対応も考えてゆきたい。
赤池誠章 尖閣、竹島問題は外務省HPに載っているが、南京問題は掲載されているのか?
小原参事官 諸数字については掲載しているが、細かい点は掲載していない。これは今後検討してゆく。
赤池誠章 外務省のHPに渡航情報というのがある。そこに歴史問題も掲載してもいいのではないか。
稲田朋美 会の方向性についての御意見は?
西田昌司 ここまでにしてしまった自民党の責任は大きい。本来ここで是正しなくてはならないのだが、逆の方向に向かって進んでしまっている。どうしたらいいのか?
赤池誠章 政府自身が侵略戦争だと認めてしまっているのだから。そこから全てが発生している。
稲田朋美 そこを変えなくては。
平沼赳夫 日本の外交は贖罪意識を捨て去り、国益中心で進むべきである。外務省も日本の基本線に戻って頑張っていただきたい。
稲田朋美 南京に行くことも含めて、適宜議連を開催してゆきたい。

(敬称略)